超音波風向風速計 WM10 の実験

超音波風向風速計を自作しているParawindが、クラウドファンディングでWM10キットを販売していた。
メーカー製の風向風速計に比べたら超低価格である、感謝!、早々入手し試してみた。

キットの組み立ては、細いエナメル線の半田付けに手こずった位で動いた。
FT232RLユニットが認識しにくい問題が出たが、交換してもらえた。(^^) 上ぶた用のパイプはさらに短く切ってVUキャップを合わせている。
Basicキットの基板にMAX3232CPEを付けてRS232C通信としてます。

WM_Station2.0で動作確認

Windows用のWM_Station2.0を使って、風が吹く日に周りに建物の無い田んぼの中で試した。
(周りに障害物が有ると風向風速は大きく乱れる)

瞬間風速の変動が大きく感じた、業務用では0.25秒12回を平均しているが、
WM10は0.6秒5回の平均なので、回数が少なくばらつきが有りそう。
また、三杯式は回転部の慣性によりある程度は平均化されるが、
超音波式は風そのものを測り、慣性の影響が無い事も関係しそうだ。

WM10の設定で平均回数を5回3秒から、8回4.8秒に増やして試しています。
また、10分平均はパラグライダー用には長く感じた。

分析ソフトを作成

WM10は瞬間風向風速を出力してくるので、平均風向風速は受け取ったマイコン側で計算する事になる。
どう処理するのが良いか検討するWindows用ソフトを作った。

HSPで作ったが、実数と整数のデータが混在するので、自動型変換が災いして手こずった。
風向の平均は、方位が0-360度の循環型なので普通の方法では北方向の時に不具合がでる。

初めは最大風向と最小風向の差が大きい時を北風と判断して、0度付近をオフセットして計算した。
一応は上手く行ったが、閾値付近に来ると間違いやすいし完全とは言えない。

データを16方位や32方位に分けて、頻度の多い風向きにするという方法も良さそう。
また風速を考慮せず、風が無くても一律に平均してしまうのはどうかと思う。
最大風速時の風向きを平均とする方法が最も簡単ではある。

先人の知恵を借り、sin.cosでX.Y変換しそれぞれを合計し、atanで角度に戻す方法を使った。
角度→ラジアン→sin.cos→Y.X→Y.X *風速→Y.Xを合計→atan→平均ラジアン→平均角度
これで風速の重み付けも出来たはず。

このソフトは、解凍して実行するだけ。
Comポートと平均回数を選んで、Rcvを押すと開始。なお通信速度はデフォルトの9600固定です。
左上の窓に受信したデータ回数が表示され、そのデータが表示される。
平均回数まで達すると平均、最小、最大を表示、最も右は最大風速時の風向きです。
WM10display02.zip

ちなみに、廻りに何もない所で車の屋根に置いて測ると風向きのばらつきは50度位でした。
ベランダではもっとばらつくし、高さを上げればもう少し良くなるかもしれない。

2022/9.風に雨が混じると風速が40m/s以上の大きい値になる事が判った。
超音波が雨に反射して短時間となってしまうのだろう。
これも超音波式の欠点かも、パラグライダー用には問題ないと思う。

この後は?

エリアでWeather Stationが稼働してるし設置はまだ先になるが、補修が高くなる時は切り替え?
コスパに優れた風向風速計だと思います。



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