26.Dec.2002-6.Jan.2003
途中ではすごくフラットで遥かかなたに地平線が見える所も通り、オーストラリアに来たと実感できる風景でした。
結局、昼過ぎに出て、タムワ−スに着いたのは夜8時の日暮れ時でした(日没が遅い)。
飛行機で1時間ちょっとの所も車で行くとやっぱり遠かった。
ちなみに飛べる日は8.5日あって2.5日は飛べませんでした。
この確率は去年とそう変わりませんでした。
<我々が帰った後からコンディションは好転しずいぶん良い日が多くなったようです> (>_<)
東テイクオフに着くなりすぐに準備して出ました、弱いサーマルで廻しているうちにだんだん上がり始めました。
そしたら、他のパラが一機また一機と同じサーマルに入ってきた、上昇が強くなってきたころには飛んでた皆が入って来て上も下もパラだらけ、いわゆるガーグルになってきました。
ニアミスを避けながら、かつサーマルから外れないように廻すのは結構気を使いましたが、無事に雲低までたどり着きました。
最初に走り出したのは少し上で廻していたツアー仲間のIさんで、「マニラに向かう」と無線が入ってきました。
マニラは南東で風上と思えたので無線を入れたが、やはりシンクがきつかったようで低くなって引き返してきました。
風下の西へ行きたかったので、誰かが走るのを待って粘ってると標高2100m(TOから+1300m)まで上がった。
しかし、そうこうしている内に上昇が無くなって沈下しだした。
ここでツアーリーダーのSさんに「西へ行きたい」と無線を入れると、「一緒に待機してる足尾GPの人たちが動き出すまで待て」という返事。(そんなぁー)
なるべく沈下を少なくするように、がんばるがなかなかスタートしない。とうとう-500mも下がってしまった。(このまま終わりか!?)
次に、さっきのIさんが上がってきたので、そのサーマルで200mほど持ちなおしました。(ほっつ)
そのサーマルも終わってしまったところで、ようやく上にいる機体が動き出した。
一番上がったときから既に25分ほどたち、標高1750m(TOから+950m)でやっとスタートである。
この日は高層に絹雲はあるがサーマル雲はまったくできておらず、渋い状況で難しい展開である。
上の機体を見ていると、南西の湖の方角に向かっており目指す方角とは少し外れている、たぶんサーマルポイントを知っているのだろう。
自分は彼らより少し低いし目指す方角の西に見える緩やかな茶色い斜面が気になる。
彼らがどこを目指しているかわからんし、茶色い斜面は比較的、近くに思えたので一人そちらに向かった。
山を離れるとシンクというほどではないが、順調に高度は落ちていく、少しでも高く着こうとアクセルを半分ほど踏み込む。
茶色い斜面の上空に着いてアクセルを緩めるがサーマルは無い、斜面を上りきった少し先に家が見えたので、そこまで進んで見ると家の上で弱いサーマルを発見!
外さないように慎重に廻していくと、徐々に高度が上がり600mほど回復して、標高1400mになった。
他の機体はと眺めると、湖の方へ走った2機も向こうで上げているのが判った。
他にも後から来た人たちは概ねこのサーマルを目指してきているようだ。しかし、高度は低い、そのうち青いパラが家の庭先(かなり広い庭)に降ろしてしまった。道路までは結構、遠くて2kmくらいはありそうだ。
他の人もここまでは上昇してこないし、そろそろ上がらなくなってきたので次を目指してまたアクセルを踏む。
道路はだんだん西によってくるので、先に進めば道路の近くに降りれて回収も楽になる。
西を目指して進むが牧場ばかりで、サーマルのトリガーになりそうな所が無い。
かなり先の道路の脇に家が見えたので、それを目指して進むと高度はどんどん落ちていく、追い風のはずなのにスピードはあまり出ず、なんかじれったい感じである。
やっと家の上まで来たが高度は対地100mも無い感じで、降りそうだと無線を入れておく。
沈下は少なくなかったが、降ろすならこの家の牧場か?と牛や電柱を確かめつつ、サーマルはないかとさらに捜してみる。
弱い上昇があったので廻してみたら少し上がった。丁寧に何回も廻していると徐々に上がり始めた。
サーマルは弱いが途切れること無く続いている感じなので、諦めずに何回も何回も廻していると、上がりながらだんだん西に流されてさっきの家から離れて広い牧場の上をも横切ってしまいそうだ。
このサーマルはこんなに傾いているのか?と考えても見たが上昇は続いているので、そのままさらに廻していく。
北へのクロカンは400m程度とは言え山の上を飛んで行くのだが、この西方向はほとんどフラットな平野で、北の山々から数キロは離れている。
そのせいか廻しても廻しても景色があまり変わらず、高度が上がった気がしない。
さらに廻すとさらに流されて家と牧場からかなり離れてきた、ふと高度計を見ると標高1400m、かなり上がっていたんだと納得した。
この頃、スタートで湖の方へ向かった赤と銀のオメガがこのサーマル目指して飛んできた。
彼は待機している時も常に自分より上の位置をキープしていたし、あまり高度を落とさずに飛んでいるように見えた、かなりうまい人なのだろうと考えていたら。
ほとんど同じ高度でサーマルに入ってきて「邪魔してごめん」と声を掛けてきた。
ちゃんと聞こえるものである。こっちも「いいえ、大丈夫です」と言ってさらに廻しつづけると標高1600m位で上昇は止まってしまった。
地面まじかの所から、このサーマルのみで1000mも上がったことになる。
次の目標はと見廻すと北の山が道路近くまで出っぱって来ているところが有ったので、その山の始まるところを目指してサーマルを離れた。
自分が先に走り出したのだが、そこに着くころにはさっきのオメガに抜かれてしまった。やっぱりスピードはあっちのほうが速いようだ。
山の始まるところに着いて見ると強くはないが、やっぱりサーマルがあった。
さっきより高度に余裕はあるし、3回も予想どうりの場所にサーマルがあると実に気分が良い。
ここで廻して上げているとテイクオフから遥かかなたに見えたギャップ(山の切れた所、谷ほど急でない)もすぐ届きそうに思えてきた。
オメガは自分より少し高く上げていたが、上昇が無くなってきたので、自分が先に西のギャップに向けて走り出した。
走り出してから、オメガはどうしたかな?と振り向いて見るが見当たらない。
見失ってしまった。北西のギャップに向かったのかな?と考えて平野の上を飛んでいった。
ギャップに着くころには高度もだいぶ落ちて、ギャップの低い丘を超えれるくらいであった。
この丘の上空には、またしても弱いがサーマルがあった。
少し廻しながら考えてしまった「この丘を超えてギャップの中に入ると無線は届かないな、同じGPのIさんは既に降りているし、少し前から無線で呼んでも誰も応答しないのも気になる。」
と言うことで、気分良く飛べてたので、まあこの辺でもいいかと少し弱気になって粘るのを止めてしまい、この丘のすぐ下に降りました。
そこはテイクオフから直線で25kmの場所で、2時間弱のフライトで走ってる時間より廻してる時間の方がずっと長かったです。
降りてから、風景を撮影して機体を畳んで、携帯電話を借りていたのでSさんに掛けると「Tさんが怪我をして救急ヘリが来ている」と言われびっくり!
自分は足尾GPの人たちに回収してもらえる事になりました。
牧場から外にでようとしていたら、たまにしか通らない車が止まって、出てきた子供がパラザックを塀の外へ出すのを手伝ってくれました。
言ってる事が余り理解できなかったが、地図を出して「ココからパラグライダーで飛んできたんだよ」と指し示した。
そしたら、運転してたおばサンも降りてきて「帰りは大丈夫か?」と聞いているような気がした。
(正確には聞き取れなかったが)
彼らの車はマニラとは反対方向に向かっていたし、回収車が来ることが判っていたので、携帯を指して「連絡取れてるから大丈夫」というようなことを言ってみた。
おばサンは理解してくれたようで車に戻り、親切に感謝しつつ手を振って見送りました。
しばらく待つと回収車が来て「オメガのNさんがもう少し先まで行ってる」と教えられた。
どうも、彼は自分の上を飛んでいたようで見えなかった訳だ「同じ方向へ飛んでたんなら、もう少しがんばりゃ良かった」と思ったが後の祭りである。
Nさんの降りた所は、4kmほど先の牧場で一面の緑でした。
ギャップ超えたらサーマルはさっぱり無かった」と言う話も納得です。
Nさんは昨年度のクロカンリーグチャンピオンと後で知りました、どうりでうまい飛びをする訳です。
足尾GPを引っ張ってたMさんは自分より数キロ手前に降りてました。
その後もう一人、粘ってこの辺まで飛んできた人が居たので、自分はこの日3番目の距離でした。
何よりほとんどフラットな平野を地面近くから上げて飛んでいくのは、とっても楽しくて満足度の高いフライトでした。
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