去年、今年とオーストラリアの manillaでXCフライトしてきたので、その軌跡を表示したくて色々調べていました。
カシミールで3D表示するには数値地図が不可欠なので、USGS(アメリカ地質調査所)がフリーで配布してる、世界の地形データを利用することにしました。
30秒メッシュデータ(30arc-second DEM)または地球規模標高データ(GTOPO30)といい、ほぼ1kmメッシュ相当です。 国土地理院の地球地図関連でミラーサイトがあります。地図から選んでダウンロードすると、〜.tar.gz というなじみの薄い圧縮形式でしたが、さすがオンラインソフトでは対応してる物があり、それを使って(eoだったと思う)gz、tarと2回解凍すると 20Mbyte以上の巨大なファイルになりました。
これをカシミールで読み込んで一応、表示できるようになりました。
地球地図からも同様のデータを入手してみましたが、やはり1kmメッシュ相当でほぼ同じでした。
manilla周辺は平野が広いからか、1kmメッシュでは起伏が乏しくテイクオフの山も見えずフラットに見えています 。
カシミールはBMP画像を重ねる事が出来るので、山や道が分かるような地図は無いかと捜した所、Big Sky Austrliaからリンクを辿って地元の「LAKE KEEPIT SOARING CLUB」(Maps and Tasks)にありました。
画像ソフトで黒い線を消してBMP変換して使いました。今年はmanillaに行った時に地元の本屋で25万分の1地図を買って(10$もした)きたので、今はそれを利用しています。
もっと精細な数値地図は無いか?とリンクを辿っていたら、オーストラリアの国土地理院である、「GEO SCIENCE AUSTRLIA」に、何種類かのデジタルデータがある事がわかりました。
その中に「GEODATA 9 Second DEM Version 2」のサンプルデータが有ったのでダウンロードして見ましたが、そのままではカシミールで表示できませんでした。数値地図の形式変換が必要とわかったので、カシミールのFAQからフォーマットが分かったBIL形式にすることを試みました。
調べてみると、9 Second DEM のGridAscll形式は北西のx、y座標から標高データが、x数分だけテキストで並んで改行するy行有るというフォーマットで、標高データの並び順はBIL形式と同じだったので、順番にテキストからバイナリに変えて行きBILファイルを作って、最初のヘッダ情報からHDRファイルを作ってやれば良いことが分かりました。このようなソフトを作るのに最適なのが、日本語でプログラミングできるMIND(スクリプツ・ラボ)です。
最初はDOS版で作っていましたが、メモリ制限に引っ掛かることが分かったので「Mind Version 7 for WIndows 試用版」でコンパイルしました。
サンプルデータを変換して表示してみると、ばんざい!成功です。知らない場所ですが海岸沿の地形でした。
(こう書くと簡単そうですが、英文のマニュアルを読むのが大変だったり実は色々苦労しました。)
製作した数値地図データ変換ソフト dem2bil.lzh(84kb) はここ数値地図の比較表示できることが分かったので、いよいよ注文することにしました。
デジタルMapデータは何種類かあるようですが、一番詳細な「3 Second Gridded DEM」は受注生産品で価格も高い(一つのエリアで$162)ので、Packaged Productsの「GEODATA 9 Second DEM」は250mメッシュ相当でオーストラリア全土を37エリアでカバーし$99とお得なので、こちらにしました。価格表はここ
(このGEODATA 9 Second DEMも値下がりしたのは最近で、数年前までは$100以上/エリアと高価だったようです。)注文はメール&FAXで行いましたが、簡単な英文のやり取りで通じたので特に問題ありませんでした。
9 Second DEM CD-ROM 購入のまとめ 購入の連絡先 Sales CentreのTopographic & Thematic Data 見積もり、注文 メール または FAX 支払い クレジットカード 料金 AUD$90+$55 (少し値引き?、輸送費が割高) 輸送 DHL (一週間かからず着いた) この「9 Second DEM CD-ROM」には圧縮されたデータが入っており、パソコンに入れるとオートランでDEM出力ソフトが立ち上がります。
出力するエリアを選んで「OK」すると、ファイルの名前、フォルダ、形式を指定する画面になります。
形式は「GridAscll」を指定します。たとえば、シドニー周辺でデフォルト名なら「si56.grd」というファイルが出来ます。これをさっきのdem2bilで変換すると、BILファイルとHDRファイルが出来るので、これをカシミールで読み込めばOKです。
他のソフトでもUSGS30秒のBIL形式が読めれば使用できる可能性は大です。ちなみにこのCD-Romにはデータのほかにもマニュアルやサンプルデータが色々入ってますが、地形データを表示するソフトは入っていません。
マニュアルには ANUDEM というソフトを推奨しているようですが、調べてみたら、AUD$600もしました!
カシミール3Dがフリーというのはやっぱり、すごいことです。
平野の広い manilla周辺。
1kmメッシュでは低い山は消えてしまうようで、テイクオフの山が無くなってフラットな平野になっています。
山の雰囲気が日本に近い Brightエリア周辺。
250mメッシュでは山の尾根が分かるようになり、1kmメッシュがかなり平均化されている事がわかります。
また、1kmメッシュでは変な所に急な谷が出来ています。さらに、カシバードによる地形絵画の比較はこちら。
yoshikawa.s作成 2003年3月
トップページへ カシバード絵画の比較